COLUMNコラム
2021
August
05
イギリス

英国王室に認められたサービスや商品

サンダース・ペリー誕生の地、イギリスにまつわる「もの」「こと」を
現在イギリスで暮らすスタッフがご紹介します。
 

<英国王室御用達「ロイヤルワラント」>


※イメージ

来年エリザベス女王が即位70周年(プラチナ・ジュビリー)を迎えるにあたり、
英国王室から2022年に盛大な祝賀行事を行うとの発表のほか、
故ダイアナ元皇太子妃の生誕60周年である7月1日はロンドンのケンジントン宮殿の庭園に
銅像が建てられるなど、王室関連のニュースが多く出ています。

日々の生活の中で王室に関するものといえば、
英国王室御用達を意味する「ロイヤルワラント」です。
これは、王室に対して商品やサービスを提供できる選ばれたブランドや
会社に授けられる称号を指します。

現在は約800の企業や個人に与えられていますが、
称号を得るには英国王室と過去7年間のうち5年以上は定期的及び継続的に取引していることなど、
厳しい審査・認定が必要です。
認定を受けると企業や個人は協会に加盟し、紋章を掲げることができます。
衣服はタグなどにプリントすることができます。
称号を認定するのは、直系の王位継承者のみ。

現在は、エリザベス女王、エディンバラ公フィリップ殿下、ウェールズ大公チャールズ皇太子の3名です。
(フィリップ殿下がお亡くなりになる以前は殿下も含まれており、殿下の称号に関しては
チャールズ皇太子が引継ぎ、生前の殿下の紋章を製品につけられるの期限は2年間)
称号の効力は最長5年で、期限が切れる前年にロイヤルワラント協会から再審査があるそうです。

称号は衣服や雑貨・食品・化粧品等に限らず、スーパーや運送・テクノロジーやサービス業など
あらゆる分野が含まれています。

歴史的に見ると、1155年 ヘンリー2世の時代に王室へ狩猟用衣類を提供していた生地会社との間で
正式に交わした文書が始まりです。1840年、ロイヤルワラントホルダーズ協会が正式に発足されましたが、
それより少し前のヴィクトリア女王の時には約2,000もの企業やサービスに称号が与えられていたようです。

認定商品には紋章がつくので、私たちは一目でロイヤルワラントを受けているものだと認識ができます。
また、女王や皇太子それぞれに紋章があるので、誰が認定したものなのか・この企業にはいくつ紋章が
付いているかも明確です。認定品のなかでは食料品が1番多く、スーパーで目にするものも沢山あります。

日本のスーパーや輸入食材店でも手に入るものといえば、トワイニングの紅茶・ケロッグのコーンフレーク・
タバスコ・Walker’sのショートブレッド・シュウエップスの炭酸飲料などがあります。

3つの紋章付きの品はとても珍しいのですが、なかでもアウトドアウェアのBarbour(バブアー)、
文具や革製品等のSMYTHON(スマイソン)などは日本でも人気があります。

お店によってはショーウィンドーに紋章が付いているところもあるので、
お買い物の際は、認定店を見つけながらショッピングを楽しむのもおすすめです。